三月 ショートショート ふとり


 今朝からいきなり私の定位置が変わってしまった。
 どういうことだろう。
 窓際ではないか。
 しかも外に向いている。
 ここでどうやって仕事をしろというのだろうか。
 いつもどおり仕事をしなくては……と思うのだが、うろたえるばかりでなかなかうまくいかない。全くはかどらないし、第一こんなところで仕事をしてどうなる?
 ……。
 まだ勤め始めて6年だぞ。10年にも満たないんだ。
 もしかして、もうお役ごめんなのか。そうならそうと言ってくれればいいじゃないか。
 畜生。
 もう仕事なんかする気もなくなったし、する理由もない。ぽかぽかと暖かいし、ふんわり外に出て昼寝でもしたいもんだ。
【ルーティンワーク】
 もともと私はそういう仕事が好きだった。
 何の変哲もない、あまり頭脳も使うことのない、しかしながら必要とされる仕事。
コツコツとこなしていくのが大好きだった。
 私が働き始めれば、皆が穏やかになっていったものだ。そんな光景を見ると、私も優しい気持ちになれたのに。
 もう必要とされていないなら眠ってしまおう。
 なぜだろう。遠い記憶。
 以前にもこんなことがあったっけ……?
 え?!またあいつだ!
 おい、やめてくれ。
 もう働くのはゴメンなんだ。
 ナニするんだよ!!
 あぁぁぁぁ〜。
「ピッ。」
 ぶぉぉおおおおお〜〜〜ん!!!
「最強、と…」
 まだ結構残ってるわね、灯油。
 これ使い切っておかないと、中で酸化して、故障しちゃうって本当かしら?