私は虐待未遂をしてしまった。
この暑さでダラダラと時を過ごしてしまい
気がつくと夕方になっていた。
あせればあせるほど時間はどんどんすぎていく。
御飯も炊いていない。
サラダを作るのさえ面倒だ。
ふと外を見ると取り込まれていない洗濯物が夕焼けで赤く染まっている。
重たい腰をよっこらしょと持ち上げ私は家事に取りかかろうとした。
そしてはじめて気がつく寄生虫の存在、
息子1歳。
どんなに振り払ってもしがみついて離れない。
むかつきながらもその寄生虫をくっつけたまま台所に立った。
包丁を握った。
野菜を切った。
包丁を置いた。
よそ見した。
案の定、包丁は息子の手にあった。
私はそうなる事を心のどこかでわかっていた。
なのに大きな声をあげて息子を怒鳴っていた。
怒鳴りたかったのだ。
このイライラをぶつける場所を探していたのだ。
小さな我が子はビクッとなったかと思うとべそべそべそべそ泣き出した。
こうなる事も私は分かっていた。
分っていてイライラをぶつけていた。
かあさんかあさんとしがみついてくる我が子を無視しつづけた。
ふと、息子の顔を見た。
泣きながらも必死に笑顔を作ろうとしている。
わかっていた。
息子の気持ち。
『お母さん、笑って。いつもの笑顔でいて』
痛いほどわかっていた。
またやってしまった。
後悔は先には立たない。
何度同じことを繰り返せば私は強くなれるのだろう。
息子を抱きしめた。
遅いかもしれない。
自分のしてしまったあやまちは許してもらえないかもしれない。
苦い反省の気持ちと後悔の気持ちを胸にしっかりとすりこみながら
黙って息子を抱きしめた。
そんな私に息子は満面の笑顔を見せてくれた。
私には過ぎた息子だ。
私は横になり、息子と2人ゆったりとした時を過ごすことにした。
もうすぐ旦那が帰ってくる。
何から話そうか。
きっと旦那は笑ってこう言ってくれるはず。。。
「なに食べにいこっか」
私は目をつぶり楽しみにしていた。
もうすぐやってくる一家団欒を、
そしてみんなの明るい笑い声を。。。 |
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