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海風に吹かれて花嫁のベールがふわりと舞った。真っ白なウエディングドレスはグアムのエメラルドグリーンの海を背景に圧倒的な存在感を醸し出している。輝くばかりの花嫁の笑顔、少しさびしげな新婦の父、人々の祝福の拍手。幸福のベルが鳴り響く中・・・我が愛息子は神聖なるチャペルのベンチの上で大の字で爆睡していた。
10年来の友人が嫁にゆきグアムで結婚式を挙げた。10年来の友である。友情厚い私が参加しないわけがぁない。というわけで義理人情を重んじる我家では一家総出、関係のないおばあちゃんまで引き連れて友の挙式に挑んだのであった。
グアムヒルトンのそばにあるチャペルに到着したころ一歳の息子はすでに「トホトホ」の状態になっていた。ちょうどお昼寝の時間にさしかかった息子はKO寸前。私はほくそえみながら息子を抱っこしてユラユラ、耳元で「寝ろー、寝ちまえー」とささやいていた。呪いは効を奏したようで式が始まるころには息子はすっかり夢の中の人になっていた。
式途中に息子が奇声を発することをなによりも恐れていた私にとってこれは願ったりかなったり。友は「別に騒いでも平気だよー」と言っていたが彼女は一歳幼児の騒がしさを甘く見ているのだ。「アナタハ コノオンナヲ ツマトミトメマスカ?」なんて感動的なシーンで息子がいつもの調子で「にゃいにゃい!ギャー!ワウワウワウーーー」なんて叫ぼうものなら私なら七代は祟るね。10年来の友情も今日がジ・エンドだ。
アメリカ人の神父の前で愛を誓う新郎新婦を見ていると自分のL.A.結婚式を思い出した。あの時は太りすぎてウエディングドレスが破れて大変だったけなー・・なんて。感慨深く式を見守っている横で息子は「ふがっ」なんて小さないびきをかきながら爆睡している。
式は滞りなく進み(滞っては困る)、新郎新婦が神父に促されて英語で誓いの言葉を述べはじめた。この誓いの言葉って胡散臭いけれどやっぱり一番感動するんだよねぇ。
「I have chose you to share my life・・」と神父が言った。うんうん、アイハブチョーズユーね。・・・ん?大きな疑問が私の頭に浮かんだ。
<<どうして完了形なのにhaveのうしろが過去分詞じゃないの?have chosenにならないの?>>
気になりはじめるともうとまらない。「でも get は gotten とはあんまり言わないしなー。choose
chose choseでもいいのかなー。」最近突然思い立って英文法の勉強をはじめたばかりの私には無視して通れない疑問だった。
厳粛な式の最中、誰もが感動に浸っている中で、私はひたすら「have+p.p.」にはまり、息子は爆睡しつづけ、夫はおニューの一眼レフの設定に没頭していたのだった。義理人情を重んじる一家はどこへいったのか・・・。
友よ・・・すまぬ。
式が終わり、夫に「ねー 神父さんhave choseって言ってたよー、でもhave chosen が正しいよねー?」って確認してみたところ、あっさり「なんでもいいじゃん」と言われてしまった。
確かに考えてみればチョーズだろーがチューズンだろーがチョースケだろーがそんなことはどうでもいいことだ。ウエディングドレスがレンタルだろーがチャペルの聖歌隊のおじさんがヅラだろーが神父の本職が英語教師だろーが、そんなのは本当にどうでもいいことだ。
大切なのは友の隣に彼女の人生の伴侶が微笑んでいるという事実。
どうか末永くお幸せに。
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