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私は主人と子供2人のいる普通の主婦です。私の住んでる大阪の郊外であるN市は田舎なんですが、私の家のあるT地区はN市でも屈指の田舎なんです。未だに宗教色の強い昔ながらの風習が多く残り、農家が多く、よって田園もあるわけで、田植え、稲刈り、竹の子掘りの盛んな地域でもあります。土地持ちの家が多く、1つの敷地に大きな2世帯住宅、あるいは別棟を建てて、夫の両親と同居している若い夫婦も多いのですが、かく言う私も夫の両親と別棟で半同居のような生活をしています。 ある日、近くの公園に子供を連れて行きました。2人を公園で遊ばせていると、こちらを見ているおばあちゃんが目の端にうつりました。あきらかにこっちに来て喋りたそうにしてる様子です。おばあちゃんの顔を見ると初めて見かけるお顔です。おばあちゃんは孫をつれているわけでもなく、ただ子供の遊んでいる様子を見ているだけでした。しばらくするとおばあちゃんはこっちにやって来て私に喋りかけました。「お子さんはおいくつ?」「3歳と2歳です。」という定番の話しの糸口からおばあちゃんはご自分のお孫さんの話しをしだしました。広島に孫がいる、ということでした。
いろいろ喋ってるうちに、打ち解けてきたのか、自分のカバンの中のものを私に見せてくれるようになりました。内心「困ったなあ・・・。」と思いながら、気をよくしたおばあちゃんを止めることも出来ずに、見せてくれるもの一つ一つにそれなりのコメントを添えました。するといきなりガバッとカバンから数十冊はあるかと思える通帳の束を見せてくれたのです。何をする気だろうか、と一瞬身構えましたが、特に何をされるわけでもなく、当然中に書いてあるものまでは披露されることもなく、そのまま通帳たちはもとのカバンの中に納まりました。やれやれ、と心にかいた冷や汗を拭うと、おばあちゃんは今度はおもいっきり歯をむき出しにして私に見せるのです。いよいよ、これは・・・・、とそのおばあちゃんの心身状態を懸念したのですが、「私はね、さし歯がいっこもないねんよ。これぜーんぶ、自分の歯!」と得意げな顔をしました。「おお、それはすごいですね」とどう答えてよいかわからず、困っている私を尻目に、今度は定期入れを出して、「あのね、ここに孫の写真を入れてたのよ・・・。」と声をひそめて言いました。「あのね、キンキキッズって知ってる・・・・?」とたんに今度は私のほうがイロメキたちました。「ええ、ええ、知っていますトモ!知らない人はいないデショウ!」「あのね、堂本ツヨシって知ってる?太いほうの・・・・。」「ハイ!存じておりますトモッ!」
どうやらそのおばあちゃんによると、彼女は堂本ツヨシ君の本当のおばあちゃんだと言うのです。奈良に娘さんが住んでいて、ツヨシ君はその子供だと言うのです。今をトキメク、キンキのツヨシ君のおばあちゃんが目の前にいる!でもなんでこんなとこに?なんだかやっぱりちょっと信じられなくて、少し私のテンションも下がってきました。でも彼女は身内しか知らないようなネタを次々と披露し、生写真を定期券入れに入れておいても次から次に人に持ってかれるので、もう入れないことにしたのよ、と言いました。その定期券入れにはツヨシ君自筆のメッセージがかなり消えかかった状態で残っていました。うーん。これはホンモノかも・・・。といろいろな物的証拠や証言を前に私の疑惑もメッセージ同様に消えかかってきました。
いろいろ話しをして、お互いちょっと興奮状態でその場を後にしました。その後も買物途中の私が、散歩の途中の彼女と偶然に会い、立ち話をするようになりましたが、ツヨシ君の話しはしたくてもなぜか出来ませんでした。
未だに彼女が本当にツヨシ君のばあちゃんなのかどうかがわからないままなのですが、でも彼女自信はちょっと変わっててもとてもいい人なので、違っててもいいや、って思っている今日この頃です。
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