以前、Muffin-Netで行ったアンケートでは、回答者の96%が何かしら「頭髪」に関する悩みを抱えていました(「Muffin-Netの人々 PART157」より)。しかも、ひとりで2〜3つの悩みを挙げた人がほとんど。そこで、城西クリニックの小林先生に、頭髪の素朴な疑問や悩みに答えていただきました。“頭皮も、肌と同じぐらいいたわる”ことが、必要なんですよ。

 
城西クリニック 院長 小林一広先生
日本で唯一の頭髪治療を専門とする病院の院長。精神科医としての経験を生かし、外面的治療とメンタルな部分の両方から、トータルで頭髪治療を行う。
 


※グレーの矢印は異常が起こったときのヘアサイクルです。
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 「肌のターンオーバーは約28日周期」というのは、ご存知ですよね? 頭皮も、肌と同じ。しかし、毛髪は大きく異なります。毛髪のサイクルは、“成長期→退行期→休止期”を2〜7年のサイクルで繰り返しています。
1. 毛根にある毛乳頭細胞のコントロールを受け、毛母細胞が分裂。髪が生え始める。(早期成長期)
2. 毛乳頭の毛細血管から栄養を補給しながら、太く長くのびていく。(中期成長期〜後期成長期)
3. 成長し終わると退行期・休止期を経て、抜け毛になります。(脱毛)
 例えば、脱毛症は、このサイクルのバランスが崩れて、十分に成長しないまま退行期や休止期に移行し、脱毛してしまう症状のこと。髪が薄くなるのは、毛髪の量が減ったのではなく、成長しきれずに抜け落ちてしまうためなのです。つまり、このサイクルを正常化し、毛髪がしっかり成長できる毛髪環境を整えることが大切なのです。
 髪の土台となる頭皮の構造は、右図の通り。毛髪は、頭皮から出ている部分「毛幹」と埋まっている部分「毛根」の2つにわけられます。そして毛根の根っこ部分にある、毛乳頭から毛母細胞が、皮膚に存在するケラチンというタンパク質を取り込み、細胞分裂を繰り返して成長、のびていきます。つまり、髪は皮膚の一部からできているんですね。
 また、毛根の途中に脂線がつながり、毛髪と皮脂の出口が一緒になっているので、髪はこの皮脂に守られツヤとハリを維持。ただし、皮脂の分泌が多すぎると、頭皮のベタつきのほか、毛孔に詰まって角栓を形成し、皮膚炎や湿疹の原因になることもあります。
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 顔や腕など、紫外線が当たる肌に日焼け止めクリームを塗ることは、習慣になっていますよね。でも、体のどの部位よりも紫外線に当たるのが頭皮。しかも頭皮は顔の皮膚から続いています。つまり、紫外線対策をするなら、頭皮も忘れてはいけないのです。長時間太陽の下にいるときは、必ず帽子を着用。ムレることを心配する人もいますが、紫外線を大量に浴びることに比べれば、頭髪に与える影響はぐっと少ないのです。
 またストレスや寝不足なども、頭皮に悪影響を与えます。血流が悪化して毛細血管まで血液が行き渡らず、毛根に十分な栄養が届きません。その結果、薄毛や抜け毛につながることもあります。それから「喫煙」にも注意。タバコの成分のひとつであるニコチンは、抹消血管を収縮させてしまい、頭皮への血行不良を引き起こす原因になると言われています。
 髪にいい食べ物と言われるものはいくつかありますが、それだけを食べるというのは間違い。「“髪にいい海藻をたくさん食べたほうがいいか”とよく聞かれますが、摂り過ぎると海藻類のヨードが蓄積して、甲状腺機能障害を起こす場合もあります。むしろバランスのよい食生活の中で、下記のような食材を少し気にして摂ることを心がけてみてくださいね」(小林先生)
■タンパク質■
髪を構成する基本栄養素。不足すると、抜け毛や切れ毛が多くなります。
豚肉、レバー、鮭、あさり、卵、豆類、納豆 など
■亜  鉛■
体内でたんぱく質を合成するのに必要な成分。
玄米、チーズ、ココア、牛肉、カキ など
■ビタミンA■
髪や皮膚を正常に保つ働きが。
緑黄色野菜(かぼちゃ、小松菜、にら、にんじん、ほうれん草)など
■ビタミンC■
亜鉛と同じく、たんぱく質を合成するのに必要。
キャベツ、小松菜、じゃがいも、ピーマン、ブロッコリー、いちご など
■ビタミンB群■
新陳代謝を助ける。不足すると、フケの発生する原因に。
さんま、ぶり、里芋、アスパラ、まいたけ、シソ など