一番発生件数が多く、一般的な食中毒として知られているのが、O−157やサルモネラなどの細菌による細菌性食中毒。この細菌性食中毒についてまとめてみました。細菌はそれぞれ性質が違い、症状や対処法も異なるので、しっかりチェックしてください。
 病原大腸菌は、腸炎を起こす大腸菌で、集団感染が多いもの、老人や赤ちゃんに感染しやすいもの、O−157など人から人への二次感染があるものがあります。症状は、下痢・腹痛・血の混じった下痢便など。潜伏期間は3〜8日と長めです。なお、症状や潜伏期間は大腸菌の種類によって多少異なります。
手、食材、調理器具は常に清潔に。井戸水は飲まない。調理後は早めに食べること。
 最も発生件数が多い食中毒で、魚介類などに付着している菌。特に青背魚、青柳、赤貝などの貝類に多く、夏になると集中的に発生。冷蔵庫の中やまな板などを通じて他の食品へ汚染することもあります。さしこむような腹痛と下痢が特徴。潜伏期間は10〜20時間です。
魚介類はできるだけ加熱。調理する直前まで冷蔵保存。調理後はすばやく食べる。調理器具の殺菌。
 家畜やペットの腸管内に存在している菌で、人間へは、食肉、鶏の卵や飲料水から感染します。またペットからも感染。通常は、潜伏期間12〜36時間で、吐き気やへそ周辺の腹痛がおこり、その後下痢、発熱などの症状が数日間続きます。
食肉、卵は十分に過熱。まな板、包丁、ふきんは熱湯や漂白剤で殺菌。長期の食材保存を避ける。ペットを触ったら手を洗う。
 もともと人の皮膚やのどにいるブドウ球菌ですが、毒素を作ると食中毒になります。傷や湿疹がある手で調理すると危険。おにぎりやケーキなどの手作り食品から感染することが多く、短時間で吐き気や激しい嘔吐に見まわれ、腹痛や下痢も伴うとか。潜伏期間は2〜3時間です。
手に傷がある、手荒れがひどいときは調理を避ける。消毒後は前かけで手を拭かない。調理器具の殺菌。長期の食材保存を避ける。
 鶏や牛の腸に住み、食品や飲料水を通じて感染する菌。人から人への感染やペットからの感染もあります。大人は軽い食あたりですむことが多いのですが、腸管粘膜の弱い子供は重症になりやすいのが特徴。発熱、頭痛、筋肉痛がおこり、その後下痢、嘔吐、血便が、約2〜7日続きます。
食肉の保存は個別に、他の食品と同じ容器での保存は避ける。食肉は十分に過熱する。飲料水は煮沸する。調理の際は手を洗う。調理器具の殺菌。
 土壌や海、湖の中にいて、酸素が含まれないびん詰、缶詰で繁殖し、強い毒素を作る菌。自家製の海産物や保存食品は要注意! 感染すると、8〜36時間後に吐き気、嘔吐、便秘がおこり脱力感、けん怠感、めまいなどの神経障害がおこります。はちみつにも潜んでいることが多いので、抵抗力の少ない赤ちゃんには食べさせない方がいいようです。
新鮮素材の使用。十分な加熱調理。
 かき、サラダ、ケーキなど、生の食品から感染するウイルスによる食中毒。激しい嘔吐と下痢をしめす急性胃腸炎。集団発生が多く、食品や飲料水を介して感染します。人から人への感染もあり、感染から発症までは1〜2日。通常は発症後3日くらいの治療が必要です。
かきなどの貝類の生食を避ける。飲料水は煮沸する。調理の際は手を洗う。調理器具の殺菌。
 土や水中、人の便の中に存在する菌で、特に牛、鶏、魚の保菌率が高いため、食肉や魚介類の加熱調理食品が原因になりやすい食中毒。肉類、魚介類のたんぱく質が原因になることが多く、スープやカレーの常温放置は危険。症状は、軽い腹痛と下痢。1〜2日で回復することが多いようです。
スープなどは浅い容器に入れて保存し、加熱時はよくかきまわす。室温放置しない。調理後はすばやく食べる。
 食中毒は予防方法を守れば簡単に予防できます。でも、以下の症状が出たら速やかに医師に相談しましょう。

何度も繰り返す下痢は重い食中毒の可能性があるので注意。嘔吐などの症状があれば、きちんと医師に伝えましょう。

かなり回数が多い下痢で、38℃以上の熱が出たときは要注意! 下痢を伴った風邪の可能性もありますが、食中毒の疑いもあるので病院で診てもらいましょう。

O-157やカンピロバクターなどの食中毒の可能性があります。必ず医師に相談しましょう。

 
1〜2回の下痢や、ちょっとした腹痛の場合は、自己管理で治ることがあります。もし軽い食あたりを感じたら、以下のことに気をつけましょう。
消化に悪いものや繊維質のものは下痢を助長させてしまうので避けて。おかゆなど消化のよい食べ物を少しずつ食べて身体をいたわりましょう。
手はマメに石鹸で洗うこと。
便にはたくさんの細菌がいます。その菌が手に付着することが多いので、排便後はもちろん、トイレに行ったらは石鹸でしっかり洗い流しましょう。食中毒患者が家にいる場合は、トイレのレバーなどもアルコールで消毒しておくこと。人から人への感染防止も食中毒予防に欠かせません。
家族で患者がいる場合は、患者は浴槽には入らずシャワーで済ませましょう。
患者がいる場合は、洗濯物も家族と別に分けて洗いましょう。塩素系漂白剤を使い、よくすすいでからしっかり乾燥させてください。