FILE.21 復縁屋
【前編】子はカスガイ 07.11.13
 「復縁屋」という仕事があるのをご存知だろうか。仕事というか、事業というか。要するに別れた男女関係などを復活させたい人に力を貸してくれる業者らしい。その復縁屋に、一度離婚した相手との再婚工作を求める依頼が急増しているそうなのだ。
 11月9日付けの日刊スポーツ新聞社会面によると、「工作員(!?)が、元夫や元妻に接触するなどし、再会や復縁に導いていく」とある。これは、不倫相手から夫や妻を別れさせる「別れさせ屋」の延長上に生まれたものらしい。ほとんどは、探偵社や調査会社が行っているそうだ。未婚者も含めた男女関係の復縁依頼件数は昨年のほぼ倍。とある探偵社が請け負った復縁再婚を含めた依頼件数はおよそ750件だが、成功率は昨年出来で72%だという。まずまずではないか。うーん、驚き……。

 そういえば、女性の離婚ストーリーを取材してきた当連載のver.1が実は電子ブックになった。
小学館eBOOKS『28人の幸せ離婚〜あなたに似た彼女〜』
 未読の方には申し訳ないが、こちらに3月16日掲載される『占いで決めた離婚』に登場するユキさんの話をしようと思う。実は彼女、その後復縁したそうだ。こんなメールをもらった。
――話を聞いてもらってから随分月日が経ってしまいました。あれから色々あって、結局持ち出した家具とともにうちへ戻りました。娘を野放し状態で旦那と遊ばせてた事が失敗で――
 ユキさんによると、娘さんに「お父さんと暮らしたい」と言われたので、軽い気持ちで「じゃあ、2週間くらいお試し生活してみれば?」と送り出したらしい。ところが、復縁したい夫と、両親を復縁させたい娘は、彼女の予想以上に頑張った。「ふたりで生活できそうだから、そうしようと思う」。娘にそういわれた彼女は、目が点になったらしい。
 いったんは娘を奪い返すぞと燃えたらしいが、ママ友だちたから「考えが甘い!」と言われ、とある機関にカウンセリングに行ったら、「娘さんのためにも、あなたがダンナさんに謝って戻りなさい」と、いずれも復縁を勧められたのだという。
 要するに、彼女にとっては周囲の人たち、そしてわが子が復縁屋を代行(?)してくれたような結果になったのだった。子は鎹(かすがい)である。

 彼女はゲーム大好きでパソコンから離れない夫に嫌気がさし、離婚を決意していた。最後に彼女の背中を押したのは、彼女の現状を説明ナシで言い当てた占い師の言葉だった。
「あなたは全部自分が悪いと思ってるね。自分が何とかしなくてはと一生懸命ですね。でも、これはね、あなたにはどうにもできないの。パートナーのほうが問題なの。あなたには変えられません。それよりも新しい人生を歩んだほうがいい。今年は動く年。決断する年。今住んでいるところはとにかく早めに出て行きなさい」

 そこで彼女は別居し、夫に離婚を申し出た。私が当時聞いたのはそこまでだった。結局、離婚届を出すまでには至らなかったようだ。
 彼女は私に離婚に悩んでいたころに話を聞いたことへの礼を丁寧に述べ、最後にこう書いていた。
 ――まぁ、人生思うようには進まないなぁ〜――
 だが、私はメールの文面が意外と明るいニュアンスであることに安心した。彼女は「思うようにならない」と心情を綴ってはいたが、心のどこかで彼女も戻りたかったのではないか。そう思う。
 復縁屋へ依頼する人の7割は女性だそうだ。
(前編終わり)
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