あの〜、そうなんです。私は3人きょうだいで兄と妹がいるので、親の老後とかはそんなに深刻に考えなくて済むんですが、彼はひとりっ子なので……。そのうち同居してほしいといわれてるみたいなんです。
そうですか。で、あなたとしては同居はしたくないと?
そういうわけじゃないんですけど……。同居っていろいろ面倒じゃないですか。それに、私は夜中に仕事したりするし、彼も夜遅くて午後出社の時もあるので……。生活時間帯が違いすぎるので、どう考えても同居はストレスになると思うんです。ただ、向こうのお母さんは明るくてさっぱりしていてわりといい方なので、迷うところもあるんです。
私の仕事を理解してくれていて、「私は専業主婦で終わっちゃったけど、やりたいこともあったから後悔してるの。あなたを応援するわ」って言ってくれたり、「仕事が忙しいときは、いくらでも子どもの面倒とか見てあげるわよ」って。そう言われると、そっか〜、いいかもって思うこともあるし。でも、最初はいいことしか言わないですよね。
ふーん。そっか、わかりました。あの、ちょっと整理しましょうか。
あなたはお姑さんのこと、ズバリ嫌いですか?(ユミカさん、「いいえ」と首を振る)そうなんだ。それはいいことだよね。もしかしたらおんなじお墓に入る人だもんね。しかも、大好きな彼を産んでくれた人だしねえ(ユミカさん、ちょっとしょんぼり)。
結論から言うと、「別にいま結論を出さなくていい」っていうのが結論ですね。
だって、結婚してすぐって言われているわけじゃないですよね? それに、彼のご両親はおいくつですか?
はい。お義母さんが55歳で、お義父さんが確か四つ上の59歳です。もちろん、すぐに同居とは言われてません。ただ、彼の実家の近くには住もうということになっています。私の実家は地方だし遠いし自営業なので、私たちに子どもができても、うちの親にいろいろ面倒はかけられないので。
ほお。わっかい(若い)わねえ。50代ですか。じゃあ、(同居は)まだ先のことだし、いっぱい助けてもらえるわね。うらやましいわ。
そうなんですか。でも、ルネッサンスのルポとか読んでも、わりとみなさん同居の方ってうまくいってないケースのほうが多くないですか?
ええ、そうですね。でも、その方たちは、親の前に夫とうまくいってないですよ。親のせいで夫との仲がこじれたわけじゃない。100%夫自身に幻滅して離婚してますから。あなた、子どもができて仕事していると、猫の手でも借りたい時が来ますよ。じいじ、ばあばの存在がどれだけありがたいか。よく子育てで舅、姑の手を借りながら文句を言っている人もいますが、手助けなしで一度やってみたらありがたみもわかるのに、なんて近所に親戚のいない私は思いますよ。
ともかく、とりあえず彼の実家の近くに住んで、様子をみていったらいいと思います。そのあたりは今特に何か手を打たないといけない部分じゃないと思いますね。まだ現実にそうなったわけじゃないし、対策を練るにも練りようがない。
そうですね。彼にも、「そのうちってことだし、同居するというのを結婚の条件にしているわけじゃないから」とは言われています。
そうでしょ? じゃあ、いいじゃないですか。彼は別にお母さんの言うなりって感じじゃないと思いますよ。彼としっかりつながってさえいれば大丈夫です。
まあ、心の準備を兼ねて、これから言う三つのことを頭に入れて、当初の結婚生活を送ってみてください。
まず一番目は、彼についても同じですが、ご両親にあなた自身のことをわかってもらうこと。仕事をこんなふうにしていきたいとか、共働きでこんなふうに頑張っていきたいとかそういうことです。その中には、今仕事をするのは夜中のパターンが多い。生活リズムがご両親とは違いますよ、とかそんなこともありますね。それに、フリーですから急な仕事とか締め切りとかがあるので、時期によって仕事時間の多い少ないがあるし、取り組み方が普通の会社員さんと違いますよっていうこととか。普段の生活の中で、特に包み隠さず伝えていったほうがいいと思います。
二つ目は、ご両親の気持ちを理解することです。ひとりっ子さんだから、彼らの希望の星なわけですよ。なので、共働きでやってますけど、私は彼のことを大事に思ってますっていう部分も出していくことです。雨が降れば車で駅まで迎えにいってあげるとか、彼の健康面も気遣うとかね。そういう部分が見えていれば、親っていうのは安心しますから。
あのう。私、お料理が好きで、ベジタブルマイスターとかの資格も持ってるんですよ。
へえ。いいじゃないですか。じゃあ、この季節の体にいい野菜はこれだから、とかそういう配慮ができるんですよね。そういうのを自慢げにじゃなくて、さりげなく、例えばあちらのお義父さんにも何か作って差し上げるとかね、無理のない時期に無理のない範囲で。
で、今まさに同じことを言いましたけれど、三つ目は「無理のない範囲で」付き合っていくことです。例えば、毎週、毎週、会いに行くとかそんなにしなくてもいい。あなたのコンディションがいいときに訪ねればいい。仕事が忙しい時は、彼だけごはんを食べに行ってもいいじゃないですか。それで、後でお礼の電話でもすればいいんです。頼られたほうが案外親は喜ぶんですよ。
はい。彼もそう言ってます。
同居は難しいとか、あまり一般的な情報に左右されずに、自分はどうしたら心地いいのか、彼はどうなのか、ご両親はどうなのかっていうなかで、みんなで歩み寄る姿勢をもてるようにしたらいいと思います。もちろん、簡単なことではないですけどね。
子どもができればできたで、育児のことでもめることもあるかもしれないけれど、逆に子どもを持ったら彼の親の気持ちもわかるでしょう。いろんなことをプラスに、ポジティブに考えていってください。
本当にそうですね。なんだか、いろんなことを、私、ネガティブに考えすぎていたような気がします。やっていけそうな気がします。ありがとうございました。(終わり)
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