「し、しばらくですか〜。ずっと、じゃないんですね(と落ち込む)。さっきも言いましたが、私そのうち子どもが欲しいんです。でも、そうなったときにやっていけるのかがすごく不安なんです。ルネッサンスでも子どもが生まれてから離婚する方が多いですよね。でも、お話しながら思ったんですけど、なんか私って苦しみそうな体質みたい」
うんうん。いいですね。あなた、すごくいいですね。
「な、何がいいんですか? アタシ、すっごく不安なんですよ。一生添い遂げようって思った相手にですね、結婚する前からこんな不安感というか、不信感みたいなもの抱いてていいんでしょうか。普通、婚約期間なんて幸せいっぱい!って感じじゃないですか……。それなのに、こんな先のこと考えて落ち込んじゃってて。目の前ではしゃいで喜んでる彼にも悪いなあ、って思ったりするんです……」
うんうん。あなた、とってもいい子だよね。こんなにやさしい、しかも賢明な女性と結婚できて、彼は幸せだわ。
私が言った、あなたのいいところは二つあります。
今、あなたは、彼の結婚生活に対する姿勢とか考えと、自分のそれとを照らし合わせてこのままでは自分がピンチに陥るのではないかと感じてるよね。でも、多くの女性はちらっとそういうことを思っても、「まあ、そのときになればなんとかなるだろう」と、考えることを後回しにしてしまいがちです。離婚したり、離婚を考えて苦しんでいる女性のほとんどは、後回しにしちゃってるんです。で、「あのときに、もっときちんと夫と向き合っていたら……」と、みんな後悔している。
でも、あなたは「ちらっと」ではなくて、一生懸命考えてますね。今までがんばって仕事をしてきた職業人としての「ジブン」に十分敬意を払っています。そして、この先もさらに向上していこう、がんばろうと決心した「ジブン」をとても大切にしている。これが、ひとつ目の「いいこと」。
二つ目は、自分たちの未来に対して不安を抱いている。しかも、漠然とではなく、どういったものが不安要素なのか、わりと明確。ここがとてもいい。自分たちが共働きで子どもを育てたらどうなるかという夫婦の生活が、きちんとシミュレーションできてるじゃないですか。
「はあ。できているというか、ただ考えて悩んでるだけで何の解決にもなってないのですが……」
いえいえ。まず、気づくことが大切です。あなたはちゃんと気づいてますよね。なので、次にあなたがやるべきことは、自分のそういう不安な気持ちを彼にきちんと伝えることです。夫になる前の段階で、しっかり向き合うことです。
「……。そうですよね。でも、何から伝えたらいいんでしょうか。っていうか、どう話せばいいですか。あの、すみません。こんなことまで聞いちゃって。アタシ、思い切りダメなヤツですね」
大丈夫よ。あなた、ダメな子じゃないよ。もっと自分に自信もって。仕事がんばるんでしょ? お母さんになりたいんでしょ? 一番身近な夫を味方につけないでどうするの! あ。すみません。怒ってないからね。叱咤激励だからさ。
「わかってます。大丈夫です。そのくらい言われないと、私ダメかもしれない。言ってください!」
あ、そう。ありがと。ま、とにかく彼を味方にしましょうよ。それにはまず、彼に気持ちを伝えましょう。例えば、こう言ってみたら?
「家庭に支障のない範囲で仕事することは無理だと思うよ。本気で仕事するって、どういう意味かわかるよね? あなたも本気で仕事しているよね。たまに無理しなくちゃならないことってあるよね。私だって無理しなくちゃならないことがある。締め切り抱えて週末にイラスト描かなくちゃならないことだって出てくるよ。そういうときに『家庭に支障のない範囲だって言っただろ』って言われても、すごく困るの」
あ、ここは、「って言われると、私辛いの」のほうがいいかも。
「だから、『家庭に支障のない範囲』とかって制限つけるのはナシにしない? 共働きなんだから、あくまでも助け合うっていうスタンスでお願いできないかな。私、できるときは家事でもなんでもがんばるからさ。一緒に支えあえる夫婦になりたいの」
(パチパチパチと拍手して)
「なるほど!制限つけるのはやめようよ、って言っちゃいそうだけど「ナシにしない?」だと、彼の提案を強く却下した感じにならなくてすみますよね。すごい〜。メモしとけばよかった〜」(その3に続く)
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