タイトルで「沢尻」を連想しないで欲しい。女王ニワカ様の相談所ではない。近ごろ、にわかに30歳前後の女性から結婚相談を受けることが多い。
皆さん、この連載のファンだという。うれしいね♪ けれど、「読めば読むほど(結婚することが)不安になるんですぅ」――そっか。ファンじゃなくって不安なんだ、などとオヤジ全開になっている場合じゃない。これって、主には離婚や壁にぶち当たった夫婦のルポだしなー。未婚の女性には酷なのかなー。「それにしても、どのお話もドロドロですねえ」
みなさん、泥パックをコネコネしているときみたいに眉間にしわを寄せるのだ。
で、初回はイラストレーターのユミカさん(30歳)の相談。2年ほど付き合った婚約目前の彼(会社員)がいる。
「結婚しても仕事を続けたいんです。まだそんなに売れっ子じゃないし。そのうち子どもも欲しいんですが、もっとたくさんイイ仕事したくて」
う〜ん。おんなじフリーだからね。気持ちはわかるよ。ちょっと忙しそうにしてると編集さんから「よっ、売れっ子!」なんていわれるよね。でも、もう、その世界ですでに名を馳せてる人に「売れっ子!」なんて声かけねーし、アタシまだまだなんだ、なんて思ったりしない?
「えーっ、しませんよぅ。売れっ子って言われたらうれしいですぅ」
あ、そう。素直ないいコだね。性格は把握しました。で、仕事続けたいけど、彼がやめろっていうの?
「違うんです。仕事していいよ。僕も応援するよって言われてます。でも、家庭に支障のない範囲でやってね、って。でも、支障のない範囲ってどんな状態なのか、それがわからなくって」
あ。それはダメですね(アッサリ)。結婚を思いとどまれとは言わないけど、もう一度よく二人で話し合ったほうがいいね。まず、「支障をきたす状態」ってどんなことか聞いてみたら? だって、彼はサラリーマンだから、たまに残業で遅くなって食事作れる時間には戻れないわけでしょ。彼だって支障をきたすことはあるわけですよね。どんな仕事でもね、「家庭に支障をきたさない」なんてありえませんから。
「はあ。でも、食事は基本的に私が作るんで。彼は洗濯くらいはやれるそうです」
ふーん。洗濯くらい、ねえ。じゃあ、あなたが忙しくて食事を作れなかったら、「支障」になるの? 彼は作らないんでしょう。不平等だよね。それに、自分が洗濯物ためたら、「忙しいから君やっといて」っていうことになりません? だいたい、「支障をきたさない範囲で」と夫に言われて、再就職したり仕事を続けた妻はそのことで苦しむし、離婚の原因になるよね。
「そうですよねえ(と身を乗り出す)。あー、たぶん、私のほうが洗濯物たまった状態が我慢できないかもしれない。『家庭に支障のない範囲で仕事しろ』って旦那さんに言われて、最後は離婚した方がルネッサンスのバージョン1にも出てきましたよね。確か、あの、家族熱のお話になった女性ですよね」
そ、そうね。離婚話、山ほど書いたから、すぐには出てこなかったわ(忘却状態)。それと、あなた、いま、重要な発言しましたね。洗濯物がたまった状態は我慢できないと。自分でついやっちゃうのね。でも、そういう潔癖なヒトが、あとで苦しむことになるんですよ。夫はなんでも妻がやれるから任せればいいって甘えちゃうわけです。ま、子どもでもできれば、忙しさのあまり洗濯物がたまってること自体に気づかなかったりしますけどね。
もちろん、お互いピンチの時は助け合うべきです。あなたに余裕のある時は洗濯してあげてください。でも、「●●(彼の名前)毎日仕事大変そうだね。とりあえず今回は洗濯やっといたからね」とひと言いうとか、メールしとくとかね。
表面的にはやさしい言葉なんだけど、根底には「これが当然と思うなよ(怒)」っていうシビアなメッセージが込められてるわけ。逆に、あなたが夕飯作れなかったら、彼が会社帰りにお惣菜買ってきてもらうとかね。そして、そうやってヘルプしてもらった時は、異常なくらい感謝の気持ちを表現してね。「本当に助かったよ! お昼抜きで、おなかぺこぺこだったんだ!」って。そこで彼から「共働きなんだからお互いさまだよ」という言葉を引き出せたら、もうバッチリだよ。子どもをもつ前の夫婦のあり方としては合格だね。しばらくはうまくやっていけます。(その2に続く)
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