FILE.12 お母さんになりたくなかった私
【前編】メール 07.05.08
 FILE.10『産みたくない私』の主人公サトミさんへ、読者からのメールが相次いでいます。子どもを産むことに対し、悩んでいる女性がいかに多いかがわかりますね。メールをきっかけに、お話を聞かせていただくことになった読者の方もいらっしゃいます。
 今回の「あなたに似た彼女」はユイコさん。サトミさんと同じように、子どもを産むことに対し大きな不安を感じています。ふたりに共通するのは「お母さんのようにはなりたくない」という思いでしょうか。来週は年に一度の「母の日」がやってきます。母親に感謝しつつも、実の母親を心のどこかで否定してしまう気持ちを抱く人は少なくないのでしょう。
 最初にユイコさんから送られてきたメールを紹介します(プライバシー保護のため一部変更しています)。


いつも拝見させていただいております。サトミさんのお話を読み、とても気になりメールをさせていただきました。
サトミさんは日々考え続け、とても辛い状態でしょうね。私は考える事を放棄していたので、サトミさんの記事を読み、いろいろな事を思いました。
私は両親を憎んだ事はありませんが、両親の影響はやはり大きいと思います。サトミさん程の過保護ではないですが、私の母も過保護なほうに入ると思います。
私も子供を欲しいと思えないのです。子供の頃から結婚はしたかったけれど、その時から子供が欲しいとは思えませんでした。
私自身の心配性、ネガティブ思考が大きく影響している所はあります。ですが、子供を持つことにすごく恐怖心があり、それをぬぐいきれません。

これがはっきりした理由と言えるかはわかりませんが、親との間にあった事を見つける事ができました。
時期ははっきり覚えていませんが、小学生の頃だと思います。母が何気なく言った言葉がきっかけだと思っています。
「一番下が一番かわいい」
私は3人姉妹の長女です。1歳下、7歳下の妹がいます。
些細な一言です。本気ではなかったのかもしれません。1歳下の妹と一緒に聞いたと記憶しています。
時とともに薄れていったと思いましたが、この一言がずっと心の奥に沈んでいて、その後にずっと影響してたと気づきました。
今までも仲が良かったですが、この時から真ん中の妹との仲が急激に強くなりました。一番下を仲間はずれにするようになりました。歳が離れているせいにして。
この事が影響したことは大きいです。

私は、常に「いい子」をするようになりました。親がいいと思う、世間がいいと思う、そういう子であれば、親は私を大事にしてくれる気がしたからでしょうか。
親に反発することもなく、親が望むような子を続けました。高校に行き、短大に行き、銀行に就職して結婚退社。
誰からも順調に見える生き方ですよね。ですが、私は結婚してからも、子供を産む事だけは避けてきました。親になる責任感の重さ、言い知れぬ不安に耐えられないからです。
旦那にも付き合っている時から、「子供は好きではない、産みたくない」といい結婚したので、私は産むつもりはありませんでした。
ただ、旦那はいつか産んでくれるだろうと思っていたみたいでした。

妹の事も少しお話します。
真ん中の妹は、あの事があってから、親には相談せず自分で決めて動くようになりました。だいたいが事後報告です。
結婚しましたが、今は別居して、実家に私と共におります。
一番下は一番荒れました。中学時代は親が学校に呼び出されたりしていました。高校時代は付き合う相手がコロコロ変わり、一度中絶もしました。
妹が、「昔からお姉ちゃん達は仲が良くうらやましかった」といった事があります。

たった一言の言葉に、子供は影響を受けてしまう事を実感しました。捉え方はそれぞれ違い、行動の仕方もそれぞれ違いますね。
私は心配かけず道を外れないように、一生懸命やっている私でいないといけない、親には金銭的に精神的に頼るなんて、してはいけないと思って過ごしていました。だんだんとそういう状態に慣れた私がいます。でも結局、自立できていないですね。今では親のせいにして逃げている自分を感じています。
幸いにも、私は母親に直接言うことが出来たので、少し楽になりました。真ん中の妹と1番下の妹の間に流産した事があるのも知りました。
サトミさんのお母様にも何かあったのではないのでしょうか? 親子でもすべてを見せることってないと思います。お母様自体が育ってきた環境、お父様との関係で何かあったという事はないでしょうか?

子供の事ですが、「自分の子供は他の子と別でかわいいよ。産めば絶対かわいいと思うから、心配しなくていいよ」と、私はよく言われます。
でも、もしかわいくなかったら、育てられなかったらどうするの?って思います。自分が自立していないのに育てられるのか、産んで幸せにできるのか、考えると怖くて産む気になれません。子供がいなくては夫婦はなりたたないのでしょうか?

子供は、ご自分が整理をつけ、納得できてから産む事を考えてもよいと、私は思います。それは、私自身にも言い聞かせています。結局、子育ては女性に負担がかかると思います。仕事をしている男性は、できて「協力」だと思います。ほとんどは女性がメインです。命をかけて産むのは自分なのだから、よく考えて当然だと思いますよ。
(中略)
自分の事ばかり書き、申し訳ございません。私自身もう一度考えてみたいと思います。
(来週へ続く)
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