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FILE.20 母の挑戦
【前編】娘を取り戻すには 2005.12.20 |
| ――FILE7「カプセル〜母ひとり子ひとりの家へ嫁いで」続編 |
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月日が流れるのは、本当に早い。
離婚経験者をルポしたこの連載も、ちょうど1年になる。幸いなことに来年もこの連載は続くのだが、区切りとして今年最後の「ファイル20」では、以前掲載したファイル7の『カプセル〜母ひとり子ひとりの家へ嫁いで』の文中でお約束したように、その続編をお伝えしたいと思う。
憶えていらっしゃるだろうか。母ひとり子ひとりの夫のもとへと嫁いだけれど離婚したこずえさんのお話だ。彼女は別居中に、二人目の娘を夫によって連れ去られた。
彼女が育てている長男と、現在は夫と姑と住む娘、二人の子どもの親権と養育権を争う裁判は、一審の家裁、二審の地裁と進んだ。夫は慰謝料と毎月の長男の養育費を支払うこと、長男の養育権、親権をこずえさんに渡す代わりに、娘の養育権と親権を得ることで決着をつけようとした。
弁護士に控訴せずこの結果を受け入れることを勧められたが、75歳を過ぎた姑に育てられる娘が、幼稚園の通園以外はまったく外出させてもらえず、テレビとビデオ、ゲーム漬けなのを知っていたこずえさんは、娘を取り戻すことをあきらめなかった。夜、コンビニに姑に手を引かれ、パンやおにぎりを買いに出かけていることも近所の人から伝え聞いていたからだ。
その後、彼女は娘をあきらめろといった男性弁護士から、「奪い返せるようがんばりましょう」といってくれた女性弁護士に換え、上告することを決意した。離婚に際して子どもの親権と養育権を争うというこの種類の裁判で、高裁まで進むというのは稀だ。
実は、いまだ決着はついてはいない。が、見通しは決して暗くはない。
彼女に再度話してもらった。
――あの後、結局、高裁では結審に至らなくて、審議再開ということになりました。
そこで、私は絶対に娘の養育環境に問題があると思っていたので、私のほうで自費で調査官を雇い、私と夫の双方の子どもの養育環境を調べてもらうことにしました。
裁判官は「ふたりの子どもは一緒に育てられるのがベストではないか」というような感覚をもっているようだと思いました。すると、その後、「救済措置として、裁判をいったん家裁に下ろす」ということになったのです。
実は、私たちのように離婚に際して子どもの親権と養育権を争うような裁判についての法律が、最近多少変わったそうです。より子どもたちの養育環境をしっかりみて、結論を出すという姿勢になってきているんですね。なので、裁判官は昨年以前の二審の判決をそのままなぞるのではなく、「救済措置」を選択してくれたわけです。
そうなった一番の理由は、夫側に育てられている娘の養育環境にどうやら問題があるのではないか、ということです。今後は具体的にいうと、家裁に調査官を入れて再度養育環境を調べることになります。ただし、裁判官からの指令は娘のほうのみでした。私の担当弁護士は「きょうだいふたり両方の養育環境を調査してほしい。母親(こずえさん)と父親のどちらがふさわしいか、比較しなければわからないはずだ」と主張しました。
「救済措置」は、お金で解決し、娘をそのまま家に置きたい夫からすれば不本意なものだったと思います。
救済措置の知らせがあってからすぐに、夫側から「反論書」が提出されました。夫と姑の連名で出された反論書は、一般の人でも読んですぐに嘘だとわかるような事柄が「ここまで書くか?」というくらい書き連ねてありました――。(次週に続く) |
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