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情報をいちいち真に受けてはいけない |
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「地上軍派遣は近い」、「タリバンの兵士が逃亡している」、「アメリカの特殊部隊の人間がタリバンに捕まった」といったアフガン情報が、毎日、報道されます。
しかし、アメリカが流した情報であれ、タリバンが流した情報であれ、すべてが真実を語っているとは限りません。戦争において、情報操作は非常に重要な武器です。情報の内容や流し方によっては、相手にダメージを与えることもできるし、本当に隠したい情報をカモフラージュすることも可能です。これが、いわゆる心理戦(謀略)です。
特に、今回の戦争は、世界中の人間が監視している中で行われようとしています。アメリカはイスラム世界全体を絶対に敵にまわしたくないし、タリバンはアメリカ対アラブ世界という対立の構図に持っていきたいはず。そのため、どちらの側も、できるだけ自分たちが有利になるような情報を流そうとします。
マスコミを通じて伝えられる情報には、こうしたさまざまな思惑が入っています。パウエル米国務長官が「嘘はつかないがすべてを話すとは限らない」と言いましたが、たとえ嘘ではなくても、真実をすべて伝えているとは限らないと思っておいたほうがいいでしょう。 |
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空爆はなぜ夜にやるのか
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このところ、昼間も空爆をするようになったようですが、やはり空爆は夜が中心になっています。
なぜ夜、空爆をするのか。その理由はいくつかありますが、なんと言っても、空爆する側にとって、安全だからでしょう。アフガニスタンの人は、目が非常にいいと言われています。しかし、さすがの彼らでも、夜、空爆をされると、爆撃機や攻撃機をそうそう簡単に発見して、打ち落とすことができません。
また、タリバン政権下のアフガニスタンでは、市民が外出禁止になっています。市民と兵士が夜間は分離されている可能性が高いため、夜間に爆撃をすれば、民間人に被害を与えるリスクも低くなります。
しかも、今の段階で空爆をするのは、タリバンに心理的に恐怖心を与え、心理的な揺さぶりをかけて、タリバンの分裂や兵士の逃亡を促すのが目的です。そのためには、昼間よりも夜間のほうが、ずっと効果的です。
夜になり、暗くなると航空機の爆音が聞こえ、間もなく爆弾やミサイルが爆発する轟音が響き渡る。そのような空爆が毎日続く。それなのに、タリバン兵士は何も反撃できない。無力感や敗北感に襲われるでしょう。
それが恐怖心に変わったときに、タリバンが逃亡兵で内部崩壊を始め、大部分のタリバン兵士が戦線を離脱するというのが、アメリカの描いたシナリオではないでしょうか。 |
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今回の空爆は、ドアをノックした程度
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アメリカは今、第10山岳師団という山岳部隊を、ウズベキスタンとタジキスタンへ出動させるようとしています(すでに始まっているかもしれない)。特殊部隊の支援が目的です。
この動きに合わせるように、タリバン側では、マザリシャルフなどのアフガン北部に、9000人の兵士を集結させました。空爆が意外に早かったのは、このタリバンの動きを牽制する意味があると思っています。
なぜかというと、緊急空輸されてきた山岳部隊は、空輸初期の段階では戦力が弱体です。タリバンはその時期を狙って先遣隊の襲撃を行おうとし、米軍はタリバンの集結を知って空爆したというこわけです。
先遣隊に被害がでれば、それから後続する部隊に影響がでることが避けられません。アフガン北部にあるシベルガン、クンドウス、マザリシャルフの空爆は、まさにそのことを示しているでしょう。
同時に、空爆が可能なタリバン勢力下の飛行場と対空施設を叩き、ウズベキスタンに空爆できる、タリバン側の航空戦力と防空戦力を奪うことも目的だったと思います。
要するに、アフガンでのタリバンと米軍の戦争は、まだ本戦に入っていない段階です。たとえて言えば、本戦に入る前にドアをノックした程度のことでしょう。それなのに、こんなに大騒ぎをしていいのか、と思ってしまいます。
空爆が始まってからというもの、深夜11時に起こされ、午前1時からラジオで5時まで生放送。それからテレビ特番2本、ラジオ特番3本、その他・・・疲れました。
それでも、最近はようやく、「アフガン地上戦は、準備に時間がかかるんだ」という話を聞いてくれるようになりました。
でも、いまだに「これから一気に地上戦に突入する」と解説している人がいます。いったいアフガニスタン付近のどこに、そんな地上軍がいると思っているんだ! と言いたくなってしまいます。
みなさんも、威勢のいい話や大げさな話は、眉に唾して聞くようにしてください。 |
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米軍の食料投下には、人道援助以外の目的がある |
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空爆に続いて、アフガニスタン各地の都市に、食料や医薬品が空中投下されました。人道援助と言う人もいますが、これは単純に避難住民を支援するためではありません。実は、この食料投下は、米軍が行う心理作戦の一環だと見ています。なぜか。
空中から投下した物資は、タリバンの支配地域に落ちるわけですから、タリバンがかなり強制的に回収するでしょう。中に何が入っているかわからないからです。ところが中から出てくるのは、山岳戦でも使える戦闘食料のパックです。これはタリバンの兵士にとっても、非常に魅力的なはずです。当然、ほとんどを回収するでしょう。
そうなると、この食料は、いろいろな効果が期待できます。いくつかあげてみましょう。
1:タリバンは飢えた一般市民のために投下された食料を奪い去った(国際世論の批判が高まる)。
2:市民は自分たちのために投下された食料をタリバンに奪われた(食い物の恨みはおそろしい)。
3:タリバンは山岳戦に必要な食料を確保したので、都市から山岳に移動する時期が早まる(市民と兵士の分離に役立つ)
このように、米軍は投下した食料がタリバンに渡ることを計算した上で、空爆直後に食料を投下したのです。
食料の投下は米軍の心理作戦の一環で、人道的な援助のためと感動すると後悔することになります。ひどい、と思うかもしれませんが、これが軍事作戦なのです。 |